2007年2月27日 (火)

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲解説<憧れの街⑦>

<憧れの街>

前回、参考演奏について触れましたが、今年の課題曲演奏についての練習法って、このCDを聴いて熟考すること自身が、かなり有効な練習方法ではないだろうか。

この曲の構成を考えるにあたり、特にそう思います。

というのは、この曲、予想をこえた難解な性格を備えているのです。

脈絡の多さ。表現の細分。オリジナリティといえばそれまでですが、それぞれの箇所で独自の歌、アマ・ファッソ(自由な表現)が要求されているようです。

今回の大阪市音楽団の演奏。楽譜から忠実に中身を引き出し、入念にアーティキレートすると、なんだか今回の参考演奏に大半が行き着くのでは、とまで考えてしまうほど仕上げが完璧なのです。

それだけ基本に忠実な、ベーシックな模範演奏といえるのではないだろうか。

(それだけではない!!!!サックスなど譜面に記載されていない音を付け足したりしている!!!かも笑。。。それほど、トッププロが演奏に没頭しているのである)

・・・・

それであれば、それぞれの団体の指揮者や顧問があれこれ考えて、ああでもない、こうでもないと曲を弄繰り回し、ぐちゃぐちゃにしてしまう前に(笑)、このCDを再現することのほうが本文に見合っているというもの。

ともあれ、まずは嫌がらずに忠実に再現してみたらどうでしょうか。

それが成功してから、自分たちの好きなように方向付けすればいいことなので。

・・・

そして、どうせやるなら徹底的に!

曲を完全コピーするくらいの覚悟でやってみたら?

・・・・・・・

最近のコンクール審査員は、昔のように『 参考演奏そっくりだからいけない 』だの、『 ここの音はプロの音がするからどうの 』だの、わけのわからないことを言うのはあまりいないらしいから、安心しておいてください。

基礎練習が豊富で、スキルに自身がある団体は是非、やってみる価値はあると思いますよ。

(憧れの街:参考意見おわり)

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2007年2月26日 (月)

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲解説<憧れの街⑥>

<憧れの街>

あらためて、今回の参考演奏CDを聴いてみた。

大阪市音楽団。

今回、ものすごい演奏をしている。

5曲とも好演奏なのだが、とくに、この曲。

木管のサウンド一つとっても、輪郭。スラーのなかのひとつひとつの音が浮き彫りにされ、かつ、正確無比な音形とリズムメイク!

こんな、素晴らしい演奏の出来る団体は、世界的に見てもそうそうはないだろう。

本当に今回、日本の吹奏楽ファンは、このバンドに感謝すべきだと思う。

・・・・・・・・

リード楽器。とりわけクラとサックスでいえば、やはり、このレガート奏法が際立っている。

この楽団のクラリネットは、さほどソフトタイプのリードを使う奏者はおられなかったと思うのだけれど、それでもナイーブで柔軟性に富み、優しく、かつ圧力による積極性を兼ね備えた見事なサウンドに仕上げられている。

そしてサックスとのコンビネーション。融和して、超高品質なレガートとなっている。

・・・・

アルトサックスの好演は、特に、、、筆舌に尽くしがたいです。

大阪市音楽団のアルトサックスは、、、

1st 長瀬敏和さん

2nd 田端直美さん

だと思います。

長瀬さんはコンサートマスターを務められています。

今回の演奏にも相当の配慮をしてくださっているのではないでしょうか。

ファンのため、将来の吹奏楽のために全力で取り組んでくださっているに違いありません。

そのことが随所から感じられます。

長瀬さんは、目立った音でもないし、スタンドプレイをする人でもないと思います。

しなやかで、それでいて他に類を見ない圧倒的な美しさ!

今回、全国のサックス吹きといっしょに、このCDをじっくり聴いて勉強させていただきます。

(つづく)

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2007年2月25日 (日)

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲解説<憧れの街⑤>

<憧れの街>

Eまでの前半、メロディラインの受け継ぎには特に注意が必要!

というのは、それぞれのラインが特徴的で、関連性を持たせと繋げることがかなりしんどい。

それだけに主人公のワンパク、あ、いや、多感な少年の心中をよく表現できた佳作といえる。

まさにしんどい(笑

・・・・

それぞれに何か基準がほしいところ。

たとえばメロディとオブリガード、キザミ、後打ち、低音の音量をどうコントロールして、固定化するか。

それも、各々がはっきりとしたマルカートで輪郭を持たないといけないわけで、そうとう苦労する。

鳴らしすぎだと主題が生きないし、その反対だと、なんの歯ごたえも感じない、ノッペラとしたマーチになってしまう。

早く、そのバランスをゲットしたいもの。

一度でも、つかんだフィーリングははなさず、会得したい。

そのセルフコントロール。

そして固定化。

通し練習をたくさんすることによって、奏者側の、演奏のなれを作ってやりたいところ。

そうすると演奏感に安定性が生まれ、本番でこけないサウンドが作れる。

・・・・・・

それには、演奏の途中でストップをかけるのをしばらくガマンし、通しを、100回。(たとえばのハナシ)

まぁ、それをやって関西に行った大昔の団体のことを思い出し、書いてしまいました。

すんません(爆

(つづく)

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2007年2月24日 (土)

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲解説<憧れの街④>

<憧れの街>

いつかの場面転換がある。

前半では、B、C、D、Eのところ。

ちょうど、レター記号のところで一転させる。

このことによって、この曲のストーリー性、物語の段落が作られている。

・・・・・

それぞれの転換時、アウフタクトが設けられ、その前後のつながりを担当している。

そして一時的にダイナミクスレベルが引き上げられていることに注目。

まさに、その手法で物語の場面変更がスムーズに印象的に行なわれている。

・・・

この4箇所のジョイント部をうまく使うこと。

雰囲気を変え、それぞれを違う内容の表現方法で方向性を持たせること。

それぞれの場面で、主人公の少年が違う経験をする。

違う人たち、異なるできごとに遭遇し、そして感じ、行動する。

具体的な感情表現がされ、冒険するのである。

音楽に秘めた具象表現法。この曲のおもしろいところ。

音だけでどのような想像ができ、そしてストーリー性が作れるか。

そんな多様性が問われる。

・・

(つづく)

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2007年2月23日 (金)

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲解説<憧れの街③>

<憧れの街>

各楽器のパートごとに仕事が分業され、それを一つにまとめたときに、やっと全体像が浮かぶ。。。

そんなイメージのスコア。

ファクトリーオートメーション。

連想するビジネスワードが口をついて出てきそう。

・・・・

複雑にみえる工場生産過程も、分散化させ一部を捉えると、至って単純なもの。

あるところを起点として、いくつかのポイントを正確に経て、また復帰する。

それを、法則に乗っ取って繰り返す。

それだけ。

ただし、その繰り返しのためのスキルがなければ、それはカタチとなって完成しない。

それが鉄則です。

・・・・・・・

ここでは、まず、リズムメイク。

たとえば、4つ並んだ十六分音符。

これを、いかに正確に演奏するか、の基本練習がハウトウ化されているのか。

それがあるかどうか。

・・・・

ここまで読まれて、納得されたかたは、多分、一度くらいは全国に行かれたことのある指導者だと思います。

または、そのレベルの方。

長年の経験。または適切な方からの正しい教育を施されたか。

その有無がものをいう。

勉強の質。スキルの介在。

その差。

だから、分からない方には、分からない。

これが音楽という文化の、基本中の基本の、そのまた基本。

なんとかして理解したい。

分からなければ、なんだかんだ言って、合奏で時間をつぶしているだけ。

怖いね。(爆

(つづく)

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2007年2月22日 (木)

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲解説<憧れの街②>

<憧れの街>

作者の説明では、「少年の冒険の旅」をイメージして作曲されたとのこと。

だとすると、その旅のはじまりはAのダブルバーですね。

・・・・・

イントロ。

2小節間、クレッシェンドが書いてあるのはティンパニくらい。

あとのパートはアクセント記号とフォルテッシモだけ。

ここは普通、クレッシェンドを意識して書くところ。

曲想はそれでいいと思う。

でも、南さんは書いていない。

書きたくなかったんですね、多分。

あえて書いていないのだとすると、目的はなんだろう?

・・・

ffから音量を膨らませたくなかったのではないか??

それだけ、3小節目に賭けていたんだね、きっと。

最初の2小節は単なる付属的要素、3小節目からが本番のイントロ?

そんな気分で解釈してしまいたい。

・・・・・・・・・

きのう書いたスタートダッシュ。

それは3小節目から始まる。

100メートル走のスタート。

マラソンのそれとは違うみたい。

アタックは鋭く感受性豊かに。

スコーンと抜ける音。

そうしてAまで一気に駆け抜ける。

・・・・・・・・・

木管の3~5小節目の十六分。

これは練習のしがいがあるね、、、

ゆっくりなら合うアルペジオでも速くなると、とたんに指が勝手な法則を作ってしまう。

修正方法は、ひとつある。

まぁ、ぼくなりの方法ですが。

この解説「ピッコロマーチ」の、最初のころに書かせていただいた方法を使ってください。

この場合も有効だと思う。

(つづく)

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2007年2月21日 (水)

2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲解説<憧れの街①>

<憧れの街>

2年前の『 春風 』の作者。

う~ん、そうですか。。。

2年前といえば、そのころ所属していた楽団がコンクールでやった。

課題曲:マーチ『 春風 』

自由曲:『 火の鳥(1919年版) 』

結果は、関西大会金賞。

全国に今一歩。。。

一生の思い出の一曲(汗。

・・・・・・・・・

始まらせ方やパッセージ運びが春風によく似ている。

同系統のスケッチを使っているのでしょうか?

とくに木管の鳴らし方。

特徴のあるスタートダッシュです。

・・・

個人的に好みを言うと、もしぼくが音楽監督で、その楽団の編成でいけるなら、コンクールにはこの曲をやりたい。

理由は色々あるけれど、まずは、やりがいがあること。ありすぎるかな(笑

展開のさせ方が難しいから、ほかのバンドがあまりやりたがらないかも、ってのもね。

実際、これをするには相当の演奏スキルがいる。

苦労を覚悟しなければならないです。

そのうえで、まっこう勝負にでるのであれば、この曲をお勧めします。

(つづく)

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