2008年7月 9日 (水)

セリオーソ (7)

<セリオーソ>

この曲のスコアを見ていて、感じたことがあります。

それは、作者の浦田先生、ひょっとして演奏にあたっての『 完成モデル 』を想定してないんじゃぁないか??ってこと。

なにをどう試行錯誤し、曲を作っていくか。

まさに吹奏楽コンクールでの、アイデンティティの部分。

中学高校生にとっては、それは最大の目標でもある。

この曲、そのゴールに彼らは到達できるのか???

そんな気がするんです。

また、解釈の幅の広さ。

たとえば、100の団体が演奏するセリオーソには、100通りのセリオーソがある!!!!!!!

そのどれもが真実のセリオーソなのかもしれません。

・・・・・・・

探求しても、ゴールのない、音楽。

なにかの設定があって審査員が待ち構える曲、ではありません。

いわんや、吹奏楽コンクールの課題曲であることが、ぼくには不思議です。

あくまで自由表現の演奏ありき。

そして、最終的には趣向の差が審査を左右する。

これは大人の曲です。

そう思って、解釈の域を広く取り、闊達な『セリオーソ』を完成させてください。

(セリオーソの巻~おわり)

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2008年7月 6日 (日)

セリオーソ (6)

<セリオーソ>

E~F~

中低音楽器たちが、こぞってロングトーンしています。

弱音から入り、クレシェンドしてディミヌエンド・・・

パートごとに同じ音のフレーズの進行。

これは多くの邦楽作品たちが得意としている副旋律の作り方なのかもしれません。

この部分の特徴は、木管などの旋律に必ず呼応させていること。

つまり、ロングトーンでありながら『合いの手』なんだね。

また、パートの内部で音が別れないのは、他の楽器との対比を音程でさせるためです。

常に、ほかの楽器と聴き合い、連鎖させながらハーモニー構成をしていってください。

・・・・

Fの1小節目の、二拍目の裏からのペット・ボーン。

この伸び上がりのフレーズは、その変形させたもののようですが、その連続と続く59小節目の四分音符によって、Gが導かれます。

ここをどう表現するか、その方法が、曲の後半の雰囲気を作ります。

・・・・・・

この曲ってね、跳躍型のパッセージがあまり書いてない気がしませんか??

実際、吹きやすいったら、ありゃぁしねぇ。bleah

木管って、波型のものがほとんどですね。

それって偶然閃いたのだろ~かconfident

一件、なんだか同じように見える六連符。

実は、このすべてをどう処理するか? 変化をどうつけていくか。。。

それを決めること、またその技巧を問うこと。

それが浦田先生の狙った作風なのだと思います。

腕のみせどころなのですが、う~ん、、難しい。。。

音量、音の質、バランス、伸び、長さ、など。

全部に関係してくるわけで、、、

この曲、中学生や高校生にはかなり無理のあるアーティキレーションを要求している気が、オレにはします。

(つづく)

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2008年7月 4日 (金)

セリオーソ (5)

<セリオーソ>

E~

まず、フルートのソロが見もののところ。

最初の6連符、どういうフィーリングがいいんだろう??

クラだと多分、ダブルタンギングを優先順位に考えるだろな・・・

速度的に、フルートだとシングルで追いつきそうなので(かなりキツイけれど)、なんとか克服してほしいです。

フルートは、ダブルだと裏の音の出だしの精度が気になることがあるようです。

豊かなブレスを心がけて、伸びやかにレガートを掛けてほしいです。

2番は、1番に受け継ぐ場所にかけての二拍のみでクレッシェンドですが、この二拍は音色が荒っぽくなりそうな気がします。

イメージが急にかわらないよう慎重な受け継ぎをしたいです。

・・・・・・

Fの2小節前の二拍。

クラリネットの十六分が始まります。

曲想的には、少し意外性のあるアタックでなだれこむことになりそうです。

最初の1拍をソス・テヌートのイメージで押すと、思い通りの仕上げができそうです。

このあたり、パートごと、また楽器ごとのアーティキレーションが違いますので、ほかのパートの吹き方に同調しないように。

ボーン、木管の中低音、中高音、そしてホーンセクションの中でもそれぞれ違った効果音を重ねています。

スコアで確認くださいね。見事な楽譜ですから。

・・・・・・・

Fからの金管は、一体化して効果音づくりに励みます。

まさに打楽器のごとく、ですね。

木管の「風の音」の演出効果担当(笑)、、、

しかして、本当の目的は、Hから新展開する盛り上げの前兆の音です。

なので、少しずつ「これでもか」って思いながら音の張りを加えていってください。

ただし、音量はできれば指示記号を超えないように。

ズコーンってはち切れるのは、もっともっと後のこと

お楽しみですね~bleah

(つづく)

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2008年7月 3日 (木)

セリオーソ (4)

<セリオーソ>

(~つづき)

また、Bからの木管の6連符と八分音符は、常にリズム的に対比させながら進めることになります。

6連符はつんのめらないように均一に、また八分音符のほうは表の八分が短くならないように、音の存在を聴かせるようなしっかりしたものでありたいです。

・・・

このあたり、音量の変化によって曲が聴かせられていきます。

スコアの楽譜に目を通して、単一の楽器でなく全体の動きを考えた各パートの音量調整をしていきたいですね。

3連符で音が駆け上がり、四分、二分で下降・・・そのパターンを頭に入れて置いてください。

そのフレーズの場合、最初の一拍にクレッシェンドがあり、直後にデクレッシェンドが始まります。

どの楽器もそうなのですが、音量の‘山‘をどうやって作ると効果的なサウンドができるか、合奏の聴き合いのなかからいいものを産み出していってください。

ポイントは、クレッシェンドの終わりがどのあたりなのか、つかむことだと思います。

デクレッシェンド記号が始まっていても、しばらくは音量を維持しクレッシェンドの余韻を残す、なんていうテクニックも使えそうです。

・・・・・・

管楽器は、弦楽器と違ってパートごとに音色がより大きく違なり、それによってユニゾンやハーモニーの感じに変化がもたらされます。

吹奏楽の大きなスケールメリットですね。

たとえば二分音符一つとっても、そのたった一個の音符に込められた演奏意図は、作曲者から発信された膨大な情報だと思います。

それを汲み取り、感じ取って作業を進めるのが合奏の大きな役割です。

いかに作曲者からのメッセージを理解して実際の音にするのか??

そんな基本中の基本ができているかどうか、ゆっくりのレガートラインによって試されるといっていいと思います。

(つづく)

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2008年7月 2日 (水)

セリオーソ (3)

<セリオーソ>

浦田先生の作品の特徴?なのか分かりませんが、変拍子のアタマの拍に、より重きを置いたフレーズが続きます。

少し沈めたような、ずっしりした体重のかかった音。

それでいて繊細な部分も持ち合わせていて、かつ、前に進む意欲満々の音。

そんなレガートが連なっています。

淡々とした人生の重み、そして圧力を感じます。

まさに、正確なリズム進行とレガートでの厳粛な音楽、でしょうか。

・・・・

事細かにアーティキレーションが書き込まれています。

これは例えば、マーチのような普遍的な構成理論が当てはまらないことを示しているのではないでしょうか。

曲練習に入ったら、指示記号に忠実に音にしていってください。

それだけでも何日もかかることかもしれませんが、まさに厳粛に忠実に、譜面を指示のままに再現することが大切ではないでしょうか。

そして、たとえばクレッシェンドの頂点(一番大きい音はどこか?)、圧力ポイント(重きを置くところ)はどの音なのかを決め、それに向かって統一性を作って行くことが、初期段階で必要なのだと思います。

・・・・

Cから。

小さい音でのダイナミクス展開なのですが、ここは、それまでの十六分の流れを受け止めるところでしょう。

なので、ここの音は弱弱しいものでは場面が耐えられなくなります。

張りのある、しっかりした音でフレーズを受け継ぐ必要があると思います。

3番クラ、2番アルトサックスが活躍しますね~

フルートたちのサウンドを支えながら場を持たせる重要な役割を浦田先生が与えている!

とても奥の深い、この曲の音作りの場面でしょう。

(つづく)

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2008年6月29日 (日)

セリオーソ (2)

<セリオーソ>

スコアを眺めてみて思い出したことがある。

この曲、高校時代に勉強させていただいた、保科先生や兼田先生の多くの作品に似た場面が見受けられる。

レガートの厳かさ、悠然とした中での雅(みやび)の美学。

3拍のばした後の、八分音符でのデリケートな展開。

現代の多くの作品を批評されている世の中の先生方から言わせると、単純すぎる曲想なのかもしれないが、ぼくにとっては、そのどれもが稀有な作品だったのである。

特に、高校当時のぼくが夢中だったのは、『シンフォニックバンドのためのパッサカリア』(兼田作品)。

この曲には思いいれがあり、パッサカリアで京都府大会を制し、第15回関西吹奏楽コンクールにも出場させていただいた。

なので、邦楽作品で(セリオーソも含む)、コンクールに臨む学校の気持ちはなんだかわかる気がする。

こういう曲、何をどうすれば上手くいくのだろうか。

・・・・・・・

先日も書いたけれど、冒頭のソロ(ピッコロ&バスクラ)ははっきりと吹いてほしいです。

気丈なP(ピアノ)とでもいうべきか、弱いイメージだと存在感が薄れかねないから。

音量のことはともかく、あくまでしっかり吹く。そのことが全体の流れをしっかりしたものにしていくのだと思う。

続くコードトーン、そして木管の3声部による流れへと展開していく・・・

まさにパッサカリアみたいでワクワクします(^^)v

・・・・

このあたりはフレージングを大切に。

息の長いフレーズが多いため、ともすると冗長になりがちなところ。

どうすれば上手くいくのか(なぜ上手く吹かないといけないのか)を探索して、長いゆっくりのフレーズを飽きさせず聴かせるかを突き止めてほしいです。

部門を問わず、ややもすると長いフレーズの真ん中あたりで気を遣わないブレスを取る人が出て音がブチ切れ興ざめ、なんてことも多いからな~

そういうのに気を遣ってね(笑)。

(つづく)

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2008年6月28日 (土)

セリオーソ (1)

この曲のタイトルを初めて知ったとき、ぼくは「生真面目(きまじめ)」の意かと思いました。

というのは、ヨーロッパでは確か、そういう意味に使われていたと思ったからです。

つまり、ぼくは作者が、コンクールに挑む青少年たちへの希望的アイデンティティとして提供したのかと感じたのです。

でも、この錯覚、『ホントは当たってた』、、だと愉快なんだけれど・・・

おい、一回まじめに吹奏楽やってみろ、、とかだったりして(笑。。。)

・・・・・・・

冗談はさておき。

一般的な音楽用語として訳すると、『厳粛な』あたりが相当するでしょうか。

基本動作に忠実な音の再現、何をどう表現するかという理念に基づくアーティキレーション。

そういったものがプランどおりに鳴らせるかどうか。

意味をしっかり解釈して、バンドとして統一したイメージを音にすることが要求され、そのことが審査ネタになると思います。

中学とかだとけっこう解釈に時間がかかるかもねangry

////////

冒頭のピッコロとバスクラリネット。

お互いに音程保持がしんどいかな。

どソロなので、窮屈(きゅうくつ)に感じると思うけれど、決して萎縮しないで、堂々と鳴らしてしまうほうが結果はいいのではないでしょうか。

ダイナミクスもやや大きめで問題ありませんし。

フレージングなど意識過剰なことは考えず、思い通りにしてみるのも方法だと思います。

・・

全楽器にいえますが、なんだか簡単そうな譜面だし、すぐ克服できそうなのですが(笑)、じつは音程やダイナミクス、クレッシェンドの仕方などかなり高度なコントロールが要求されそうです。

数本のみの動きで曲の展開が図られる部位がかなりありますし、それぞれの奏者のソロ力がモロ出しにされる、今年の課題曲のなかの難曲!!

そう思って、気を引き締めてください。。。  

クハ~、、、 happy02

(つづく)

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